杉野宣雄とレカンフラワー|開発者が生み出した花を残す技術

レカンフラワーは、生花の色や形を生かしながら、花の美しさを立体的に残すフラワーアートです。

このレカンフラワーを開発したのが、世界的な押し花作家として知られる 杉野宣雄 です。

杉野宣雄は、押し花をはじめ、レカンフラワー、ネイチャープリントなど、植物の美しさをアートとして残す表現を広げてきました。単に花を飾るだけでなく、花が持つ色、形、質感、記憶を作品として残す。その発想から生まれた技術の一つが、レカンフラワーです。

この記事では、杉野宣雄とレカンフラワーの関係、レカンフラワーが生まれた背景、そして花を残す技術としての魅力を解説します。

杉野宣雄とは

杉野宣雄は、日本を代表する押し花作家として知られ、花や植物を使ったボタニックアートの分野で活動してきた作家です。押し花、レカンフラワー、ネイチャープリントなど、自然の植物を素材にした表現を通じて、花の美しさを長く楽しむ技術と作品世界を広げてきました。


花は、そのままでは時間とともにしおれ、色も形も変わっていきます。
しかし、杉野宣雄が追求してきたのは、その一瞬の美しさを、アートとして残すことでした。

押し花では、花を平面にして美しさを残します。
ネイチャープリントでは、植物の形や質感を写し取るように表現します。
そしてレカンフラワーでは、花を立体的に乾燥させ、自然な色や形を生かして作品に仕上げます。
それぞれの技術は異なりますが、根底にある考え方は共通しています。

自然の花が持つ美しさを、暮らしの中で長く楽しめる形にすること。

これが、杉野宣雄のボタニックアートに通じる大きな魅力です。

ボタニックアートとは

ボタニックアートとは、植物をテーマにした芸術表現です。
一般的には植物画を思い浮かべる方も多いかもしれませんが、ここでいうボタニックアートは、絵に描くだけではありません。実際の花や葉を使い、植物そのものの色や形、質感を生かして作品にする表現も含まれます。
杉野宣雄が広げてきたボタニックアートには、次のような表現があります。

表現特徴
押し花花や葉を平面にして残す
レカンフラワー花の色や形を立体的に残す
ネイチャープリント植物の形や質感を写し取る
花のクラフト作品乾燥花や植物素材を使って作品化する

これらは、単なる手芸や装飾ではなく、植物の美しさをどう残すか、どう表現するかを追求するアートです。
花の一瞬の美しさを、作品として長く残す。その考え方が、レカンフラワーの技術にもつながっています。

レカンフラワーとは何か

レカンフラワーは、生花を専用の乾燥剤の中に埋め込み、花の形や色を生かしながら立体的に乾燥させる技術です。
「レカン」は、フランス語の L’écrin に由来します。L’écrin には「宝石箱」という意味があります。
そこに英語の Flower を組み合わせて名付けられたのが、レカンフラワーです。
つまり、レカンフラワーは、花を宝石箱に収めるように大切に残すアートといえます。

生花は美しい一方で、時間が経つと枯れてしまいます。
レカンフラワーは、その花を自然な姿に近い状態で乾燥させ、フレームやBOXなどに仕上げることで、長く楽しめる形にします。

押し花のように平面にするのではなく、花の立体感を残す。一般的なドライフラワーのように自然に乾かすだけでなく、作品として保存しやすい形にする。プリザーブドフラワーのように脱色・着色するのではなく、花そのものを乾燥させる。このような特徴によって、レカンフラワーは「思い出の花を残す技術」としても注目されています。

レカンフラワーが生まれた背景

花は、もっとも身近な自然の美しさの一つです。

誕生日にもらった花束。
結婚式のブーケ。
庭で咲いた一輪の花。
大切な人から贈られた記念日の花。

それらは、ただの植物ではありません。そのときの気持ちや、贈ってくれた人の思い、特別な時間の記憶が重なっています。

けれど、生花はいつか枯れてしまいます。
写真に残すことはできますが、花そのものは手元に残りません。

杉野宣雄が開発したレカンフラワーは、そうした花の美しさを、より自然な形で残すための技術です。

花の色をできるだけ生かす。
花の形を立体的に残す。
花を作品として飾れる形にする。
花に込められた思い出を長く楽しめるようにする。

レカンフラワーは、単なる保存技術ではありません。
花を通じて、記憶や感情を残すためのアートです。

押し花からレカンフラワーへ

杉野宣雄は、押し花の分野で広く知られてきました。

押し花は、花や葉を平面にして乾燥させ、作品に仕上げる表現です。
花の輪郭や色、葉脈の美しさなどを生かし、絵画のように構成できる点に魅力があります。

一方で、押し花は平面表現です。
花の厚みや立体感、花びらの重なりは、そのまま残すことができません。

そこで、花の立体感を生かしながら残す表現として生まれたのが、レカンフラワーです。

バラの花びらの重なり。
あじさいの小さな花の集まり。
ガーベラやマーガレットの花の広がり。
小花や花びらが持つ繊細な表情。

レカンフラワーでは、こうした花の立体的な美しさを生かして作品にできます。

押し花が「平面に残す花の美」だとすれば、レカンフラワーは「立体的に残す花の美」です。

レカンフラワーの技術的な特徴

レカンフラワーには、いくつかの技術的な特徴があります。

ここでは詳しい作り方ではなく、杉野宣雄が生み出した技術の考え方として整理します。

1. 花を立体的に乾燥させる

レカンフラワーでは、花を専用の乾燥剤の中に埋め込み、花の形を保ちながら乾燥させます。

自然乾燥のように逆さにつるすだけでは、花びらが縮んだり、色がくすんだりすることがあります。
レカンフラワーでは、花に合った処理と乾燥方法を用いることで、花の立体感を生かしやすくしています。

2. 花の自然な色を生かす

レカンフラワーは、花そのものを乾燥させる技術です。

プリザーブドフラワーのように脱色・着色して仕上げるのではなく、花が持つ自然な色をできるだけ生かします。

もちろん、花の種類や状態によって色の変化はあります。
それでも、自然の花が持つ色合いを大切にする点は、レカンフラワーの大きな特徴です。

3. 作品として長く楽しめる形にする

乾燥した花は、そのままでは湿気や空気の影響を受けやすい素材です。

レカンフラワーでは、乾燥させた花をフレームやBOXなどに仕上げ、長く楽しめる作品にします。

この「乾燥して終わりではなく、作品として残す」という考え方が、レカンフラワーを単なるドライフラワーとは違うものにしています。

4. 小物から本格的な作品まで展開できる

レカンフラワーは、作品の幅が広いことも特徴です。

小さな花びらを使ったアクセサリーやボールペン。
バラの花びらを使ったBOX作品。
花束やブーケを生かしたフレーム作品。
インテリアとして飾れるボトルやドーム作品。

気軽に作れる小物から、芸術性の高い作品まで展開できるため、趣味としても、記念品としても楽しめます。

レカンフラワーが大切にしているもの

レカンフラワーの魅力は、技術だけではありません。

大切なのは、花を見る人の気持ちです。

花は、誰かの思いを伝える存在です。
お祝い、感謝、愛情、励まし、記念、別れ。
花束やブーケには、その場の空気や感情が込められています。

レカンフラワーは、その花をただ保存するだけではなく、思い出として残す方法でもあります。

枯れてしまうはずの花を、暮らしの中で見返せる形にする。
贈られた日の記憶を、作品として手元に置く。
庭で咲いた花を、季節の記録として残す。

そのように、花の美しさと記憶を結びつけるところに、レカンフラワーの価値があります。

杉野宣雄が広げた花の楽しみ方

杉野宣雄が広げてきたのは、花を「見る」だけではなく、花を「残す」「作る」「飾る」楽しみ方です。

生花は、咲いている瞬間が美しいものです。
しかし、押し花やレカンフラワーにすることで、その花は別の形で長く楽しめるようになります。

花を育てる。
花を選ぶ。
花を乾燥させる。
花を作品にする。
花を飾る。
花を贈る。

レカンフラワーは、その一連の楽しみを広げるアートです。

特に、手仕事としての魅力があります。
花の向き、色の組み合わせ、余白の作り方、フレームや台紙との相性。
一つひとつを考えながら作ることで、同じ花を使っても、作品はまったく違う表情になります。

既製品にはない、自分だけの花の作品を作れること。
それも、レカンフラワーの大きな魅力です。

レカンフラワーはどんな人に向いているか

レカンフラワーは、次のような方に向いています。

花が好きな人

花の色や形をじっくり楽しみたい方に向いています。

生花として飾るだけでなく、花を作品として残すことで、楽しみ方が広がります。

思い出の花を残したい人

プロポーズの花束、結婚式のブーケ、誕生日の花、母の日の花など、特別な意味を持つ花を残したい方に向いています。

花を乾燥させ、作品として飾ることで、その日の記憶を暮らしの中に残せます。

手仕事やクラフトが好きな人

レカンフラワーは、花を使った繊細な手仕事です。

花材を選び、配置を考え、作品として仕上げる過程には、クラフトとしての楽しさがあります。

アートとして花を楽しみたい人

レカンフラワーは、単なる保存加工ではなく、花を使った表現です。

色や形、構図を考えながら作るため、アートとして花を楽しみたい方にも向いています。


レカンフラワーを学ぶ意味

レカンフラワーは、自己流で楽しめる部分もありますが、きれいに仕上げるには技術が必要です。

花の選び方。
乾燥前の下処理。
乾燥の見極め。
壊れやすい花の扱い。
作品に仕上げるときの配置。
長く楽しむための保存方法。

これらを学ぶことで、作品の完成度は大きく変わります。

特に、レカンフラワーは花そのものを扱うため、素材の状態を見極める力が大切です。
同じ花でも、季節、咲き具合、水分量、花びらの厚みによって扱い方が変わります。

技術を学ぶことは、単に手順を覚えることではありません。
花を見る目を養い、花の魅力を引き出す力を身につけることでもあります。


杉野宣雄とレカンフラワーの価値

杉野宣雄が開発したレカンフラワーは、花を保存する技術であると同時に、花をアートとして残す表現です。

花の自然な色。
立体的な形。
花びらの重なり。
贈られたときの記憶。
季節の美しさ。

それらを作品として残せるところに、レカンフラワーの価値があります。

花は、時間とともに変わっていくものです。
だからこそ、その一瞬の美しさを残したいという気持ちが生まれます。

レカンフラワーは、その気持ちに応えるために生まれた技術です。


よくある質問

Q. レカンフラワーを開発したのは誰ですか?

レカンフラワーは、世界的な押し花作家として知られる杉野宣雄が開発したフラワーアートです。

Q. 杉野宣雄はどのような分野で活動してきた人ですか?

押し花、レカンフラワー、ネイチャープリントなど、植物を使ったボタニックアートの分野で活動してきた作家です。現在は本サイト「ハルメク花アート」にて技術、デザイン指導を行っています。

Q. レカンフラワーは押し花と何が違いますか?

押し花は、花を平面にして残す表現です。
レカンフラワーは、花を立体的に乾燥させ、色や形を生かして作品にする表現です。

Q. レカンフラワーはプリザーブドフラワーと違いますか?

違います。
プリザーブドフラワーは、花を脱水・脱色したあとに加工や色付けを行います。
レカンフラワーは、花そのものを乾燥させ、自然な色や形を生かして残します。

Q. レカンフラワーはどんな花に向いていますか?

バラ、あじさい、小花、花びらなど、さまざまな花を使えます。
ただし、花の種類や状態によって乾燥のしやすさは異なるため、花に合った処理が必要です。


まとめ

杉野宣雄は、押し花、レカンフラワー、ネイチャープリントなど、植物の美しさをアートとして残す表現を広げてきた作家です。

その中で生まれたレカンフラワーは、生花の色や形を生かしながら、立体的に花を残す技術です。

押し花のように平面にするのではなく、花の立体感を残す。
プリザーブドフラワーのように色付けするのではなく、花そのものの自然な美しさを生かす。
一般的なドライフラワーのように乾燥させて終わりではなく、作品として楽しめる形にする。

レカンフラワーは、花を保存する技術であり、花の記憶を残すアートです。

大切な花を残したい。
花のある暮らしをもっと楽しみたい。
自然の美しさを自分の手で作品にしたい。

そうした思いに応える表現として、レカンフラワーは今も多くの人に親しまれています。